弁理士が教える特許実務Q&A◇審査結果を受け取る時期について◇
知的財産に関する基礎知識や、みなとみらい特許事務所の弁理士によるコラムなど、
実務上お役に立つと思われる情報をお送りいたします。【質 問】
特許出願した発明について特許権の成立が認められるのかどうか、
特許庁での審査結果を受け取ることができる時期はいつ頃ですか?
当社が希望する時期に審査結果を受け取ることは可能でしょうか?【回 答】
特許出願では、出願審査請求を行った後、平均9.3カ月程度で特許庁から
審査の結果が通知されます(2018年度)。
意匠登録出願や商標登録出願と異なり、特許出願においては、
前述した「出願審査請求」を行わないと、審査が開始されません。
つまり、出願審査請求を行う時期を調節することで、
審査結果の受け取り時期をある程度調整することが可能です。
出願審査請求は、特許出願日から3年以内であれば、何時でも請求をすることができます。
また、特許出願の審査では、多くの場合、特許を受けることができない理由を記載した、
いわゆる「拒絶理由通知」が通知されます。
この通知に応答し、最終的に査定がなされるまでには、
出願審査請求後平均して14.1カ月を要します(2018年度)。◇早期審査◇
早期審査とは、一定の要件の下、出願人からの申請を受けて審査を
通常に比べて早く行う審査制度のことです。
早期審査を申請した出願における審査期間は、平均3カ月以下です
(2017年実績)。早期審査を申請することで、通常の出願の審査期間
(平均9.3カ月)と比べると、大幅に審査期間を短縮できていることがわかります。
出願審査請求と共に早期審査を行えば、出願審査請求から1年以内に
特許を取得できることもあります。
ここで、早期審査を利用できる出願の適否には種々条件があります。
そのため、早期審査の利用をご検討の場合には、早い段階で一度相談頂く事をお勧めします。◇むすび◇
一般的には審査請求後10カ月程度で、また、早期審査を受ければ
3カ月程度で審査結果を受けとることが可能です。
特許出願を行った発明についての事業化の進展などを勘案しながら、
審査請求を行う時期、早期審査請求を行うかどうか等々をご検討いた
だくのがよいかと思います。
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