弁理士によるコラム~意匠法改正!画像や建物の外観や内装も保護対象に!~
※本コラムは2019年12月に執筆致しました。こんにちは、みなとみらい特許事務所の弁理士の中村です。今回は、「令和元年の※意匠法の法改正」について、ご説明致します。(※令和2年4月1日より施行されました)現在、経済産業省・特許庁は、「デザイン経営」という考え方を推進しています。「デザイン経営」とは?「製品の形状やブランドマーク等のデザインが、企業価値向上のための重要な要素になる」という考え方。今回の法改正は、この「デザイン経営」の考え方の下、企業がデザインを有効活用できる仕組みを整備するため、現行法を大きく変更するものです。※改正ポイントの1つとして、改正意匠法では保護範囲を拡充し、「画像」の保護を認めた点が挙げられます。従来の意匠法は、意匠法は「物品」に関するデザインの保護を目的とするという考え方の下、「画像」を保護範囲から除いていました。しかし、スマートフォンの普及やインターネット技術の発展(AIやIoT)に伴い、インターネットを通じてダウンロードされ電子端末の液晶に表示される画像など、画像の重要性は高まっています。このような画像のデザインを意匠法で保護できないことは、ビジネスの実態と乖離していると指摘されており、「デザイン経営」の考え方とも反します。そこで今回の法改正により、画像について意匠権による保護が認められました。これにより、画像デザイン創作をはじめとする企業の商品開発のインセンティブが高まり、企業の成長を促進することが期待されています。今後、意匠権でデザインを保護できる機会は増えると考えられます。新たに画像や不動産等のデザインを企画される際には、意匠権による保護もご検討してみて下さい。※意匠権とは…意匠とは物品の形や模様、色などの要素からなるデザインの事。意匠登録したデザインの生産、使用、販売などを独占でき、権利を侵害した者に対して差し止めや損害賠償を請求できる権利です。※補足…今回の改正によって、「インターネット上に存在する画像」インターネット上にある各社のオンラインサイト、ソフトウエアやアプリのデザイン、そしてこれまで意匠法の対象外だった空間デザイン(「建物の外観や内装」)も保護の対象として意匠登録できるようになりました。
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