弁理士によるコラム~ブランド名が及ぼす影響とは?~
みなとみらい特許事務所、弁理士の下田でございます。
今回は、ブランド名の選択をする際に気を付けたいことと題して
一つ事例を紹介したいと思います。少し前になりますが、ニュースなどで、米国にて「KIMONO」という
商標が指定商品を「下着類」や「かばん類」等として出願されたことが
大きく取り上げられました。日本では、この商標が登録されてしまったら「KIMONO」という言葉が
使えなくなってしまうのではないか等様々な憶測が飛び交いました。
一方、この出願に対して注目された意見は、
日本文化の一つである「着物」という言葉を独占することは
「日本文化の盗用」であるというものです。この「文化の盗用」(ある文化圏の要素を他の文化圏の者が流用する行為)
というものは、日本人には少し馴染みの薄い言葉かもしれませんが、
海外では頻繁に問題となります。
今回はこの点に関しては深く書きませんが、
様々な事例が文化の盗用であるとして批判にさらされているようです。さて、話は商標に戻りますが、米国にて「KIMONO」という商標を
出願した方は、世界中からこの行為に対して「文化の盗用」であること等を
理由に批判の的となりました。
その結果、最終的には本商標は放棄され、他のブランド名に変更しております。つまり、この商標を出願したことにより、多くの批判を受けてしまい、
企業に対する信頼や評判を落とすことに繋がってしまったということです。
(いわゆる炎上することにより、大きな広告となったとする考えもあるようです。)この事例から教訓とすべきことは、商標(ブランド名)を考える際には、
その商標の登録が可能かどうかだけではなく、
その言葉を独占することになった場合、どのような影響が社会に対して起こるのかを
想像することが大事であると考えます。近年ではSNS等の発達により一瞬で企業の評判が決まる時代ですので、
是非新たな商標を考えるにあたって頭の片隅にでも
置いておいていただけると幸いでございます。
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