弁理士によるコラム~緊急事態宣言解除後の企業の動き、特許事務所の現場感覚より~
いつもお世話になりありがとうございます。
みなとみらい特許事務所、所長弁理士の辻田です。中小企業の経営者の皆様にあっては、コロナ禍、そしてアフターコロナを
どう生き残りそして成長していくのか、日々頭を悩ませていることと存じます。
今日は、特許事務所の現場感覚で把握している(注:公的な統計は出ていません)、
緊急事態宣言、そして解除後の中小企業様の知財活動の動きをお伝えしたいと思います。まず、4月から5月初旬にかけて、
中小企業、スタートアップの特許や商標に関する相談は減少しました。
観光、飲食などは軒並み経営が厳しく、倒産や廃業の知らせも多くありました。
この時期は、直接打撃を受けていない業界においても、新たなサービスや商品への投資を控える、
関係者の事業活動の制約などを受け、計画を後ろ倒しにせざるを得ない、
という状況であったと予測されます。5月中頃からマスク等の衛生用品、抗菌技術、抗菌材料など、コロナ対策技術の相談が増えました。
各社、既存の技術やノウハウを応用して、
需要に対し供給が追い付いていない分野に進出する動きが活発にみられました。この動きは緊急事態宣言解除後も続いております。
これに加え、緊急事態宣言解除後は、
アフターコロナを意識した新規サービス、製品の特許出願の相談が増加しています。生き残りをかけて、また、社会のニーズや価値観の変化に適合するような新サービス、
新製品の開発に乗り出し、発明創出が活発化しているようです。スタートアップの技術テーマの観点で見ると、
“非接触”でのサービス提供を実現するためのIT系新サービスや
アプリケーションソフトウェアの開発や、
また、医療分野のIoT技術、遠隔技術の開発が活発になっている印象です。それから、もう一つ、企業の意思決定や動きが速くなっている、
より小さなチームで動き機動性が上がっていると感じます。このような動きに接していると、社会の大きな変化や危機の時代に、
イノベーションを起こすというのも納得できますね。第2波が懸念されるなか、前と同じ状態には戻らないのはもちろんですが、
アフターコロナは、仕事の仕方も、人々の生活や遊びに対する楽しみ方も
今までとは大きく変わっていることが容易に予測されます。
お客様の変化しようとする活動に元気づけられ、
私たちも変化し、新しい社会に貢献できる特許事務所となっていきたいと思います。
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