弁理士によるコラム~流行りの言葉を商標登録する際の注意点とは?~
みなとみらい特許事務所、弁理士の下田でございます。
「流行りの言葉について商標登録を行う場合に気を付けたいこと」
というテーマで2点書き進めてまいります。まず1点目として、流行りの言葉について出願する場合、
世の中から批判を受ける可能性があるということです。
これまでも、「そだねー」や「アマビエ」といった流行りの言葉が出願され、
インターネットを中心として話題となりました。
この出願を行った意図が決して悪意(独占する意図)ではなかったとしても、
企業に対する悪いイメージがついてしまうこともございます。次に2点目でございますが、こちらは、コロナウィルスの流行と
ともに「コロナ」を含む商標が大量に出願されていることを背景
としてお話をさせていただきます。
まず、商標の出願はいわゆる早い者勝ちの世界であることから、
先に出願された商標に似た商標を後から出願した場合、その後か
ら出願した商標は拒絶されてしまいます。
これを防止するために事前に似た商標が出願・登録されていない
か調査をすることが多いのですが、この調査を行うデータベース
といったものが、商標が出願された後すぐにその情報が反映されず、
一定の期間のブランクを経た後情報が更新されることになります。
つまり、先に出願されているかどうかを調査しようにも、
このブランク期間に出願されていた場合には、
その出願を事前に知ることはできないということです。現在でも「コロナ〇〇」や「〇〇コロナ」といった商標が大量に
出願されておりますが、その中で同一の商標が数日違いなどで
出願されているものもございます。
よって、このような流行り言葉を登録する際には、
調査によっても発見することのできない先行商標が存在する可能性が高い
というリスクが付きまとうことになります。まとめますと、1点目に関しては、その言葉を独占しようとした
場合に世間がどのように感じるかを予想することが必要となり、
2点目に関しては、そのようなリスクを承知の上で1日でも早く
出願するしかないと考えられます。
(※その他公益上の理由等からも拒絶リスクは考えられますが今回は省略いたします。)今後のブランディング戦略の一助となれば幸いでございます。
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