~先使用権活用の注意点~
※「経営資料センター特許事務所だより」より抜粋して紹介しております。
◎証拠となる資料の保管◎
先使用権が認められるためには、先使用権の成立要件の全てを、
先使用権を主張する者が立証する必要があります。
(先使用権の成立要件については一つ前の投稿をご覧ください!)証拠資料は、発明の開発・完成段階、事業化の準備段階、事業の開始段階、
仕様変更の段階など、事業の段階ごとの具体的事実を示すものを確保することが好ましいです。ここで、単に社内資料等を収集しておくだけでは証拠として不十分である場合がある
点にご注意ください。
証拠が段階ごとに整理されていないと、研究開発で得られた発明と実施製品の関連性が証明できず、
先使用権の証拠として認められないことがあるためです。そのため、段階ごとに保存された各々の証拠資料を、関連性が明確となるように
紐づけておくことが大切です。また、証拠の客観性を担保するため、証拠資料の作成には公証制度や
タイムスタンプを利用することが奨励されます。◎海外での先使用権◎
先使用権は、特許権と同様に各国で独立しており、その法制度も国により異なります。そのため、先使用権に係る証拠確保に向けた準備は、日本のみではなく、
事業を展開予定の国についても行う必要があります。
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